今月あといくら使える?「使えるお金」を1本の式で出す方法
更新: 2026-07-10約3分で読めます
「残高」と「使えるお金」は別物
口座に12万円ある。じゃあ12万円使えるかというと、もちろん違う。これから家賃が落ち、カードの請求が来て、光熱費と通信費が引かれる。残高のうち、すでに行き先が決まっているお金を差し引いた残りだけが、本当に使えるお金だ。
やりくりが苦しい人の多くは、収入が少ないのでも浪費家なのでもなく、この区別が曖昧なまま残高を見て「まだあるな」と判断している。残高は事実だが、使えるお金ではない。ここを混同すると、月末に必ず苦しくなる。
使えるお金は、1本の式で出る
必要な計算はこれだけだ。
使えるお金 = 残高の合計 + 給料日までの収入予定 − 給料日までの支払い予定
たとえば残高12万円、給料日までに追加の収入はなし、これから家賃7万円とカードの請求3万円が落ちるなら、使えるお金は2万円。12万円という残高の印象と、2万円という現実。この差を知っているかどうかが、やりくりのすべてと言っていい。
式は単純だが、材料を揃えるのに少しだけ準備がいる。順番にやっていく。
1. 残高を合計する
口座が複数あるなら全部足す。給与口座、引き落とし用、ネット銀行。財布の現金も入れてよい。ただし、手を付けないと決めている貯金は最初から除外する。使えるお金の計算に混ぜると、無意識に貯金を当てにした数字になる。
2. 「これから出ていくお金」を書き出す
今日から給料日までに出ていく支払いを並べる。家賃、光熱費、通信費、サブスク、カードの引き落とし。
このとき効いてくるのが固定費の把握だ。毎月ほぼ同じ金額のものは一度書き出せば使い回せる。光熱費や電気代のように季節で変動するものは、直近の高いほうの月に寄せて多めに見積もる。使えるお金の計算は、楽観より悲観に倒しておくほうが安全に機能する。
3. 引き算して、1日あたりに割る
差額が出たら、給料日までの日数で割ってみる。使えるお金が2万円で給料日まで20日なら、1日1,000円。この「日割り」は強制ではなく物差しだ。今日3,000円使ったら明日から少し締める、という調整が感覚でなく数字でできるようになる。
月の前半に「使いすぎる」のを構造で防ぐ
給料日直後は残高が大きく見えるから、月の前半は財布がゆるむ。そして月末、残高の減りに気づいて急ブレーキを踏む。この波は性格ではなく、残高だけを見ているという構造から来ている。
使えるお金の式は、この波を最初からならしてくれる。給料日の直後でも、家賃とカードの請求を引いた瞬間に「実際に使えるのはこれだけ」という数字になるからだ。大きく見える残高に、最初から行き先の札が付いている状態と言ってもいい。
計算は月2〜3回で足りる
この計算を毎日やる必要はない。お金が大きく動くのは給料日と引き落とし日だけなので、その前後に1回ずつ計算し直せば十分。数字がズレてきたと感じたら、いまの残高に上書きして引き直すだけでいい。
毎日の記録が続かなくても、この式は壊れない。むしろ「たまに残高を入れ直すだけ」で回るのが、この方法が続く理由だ。
「あといくら使えるか」が分かると、我慢が減る
不思議なもので、使えるお金が見えていないときのほうが、お金は使いにくい。「使っていいのか分からない」から、なんとなく不安で、なんとなく我慢して、それなのになぜか月末に足りない。
使えるお金が2万円と分かっていれば、そのうちの5,000円で好きなものを買うのは、後ろめたさのない普通の買い物になる。やりくりの目的は我慢ではなく、安心して使える範囲をはっきりさせることだ。1本の式で、それは手に入る。